PDFファイルの表示の向きを回転して保存する

Excelに並んでビジネスシーンで幅をきかせているファイルフォーマットはPDFです。皆さん、PDF資料あるあるとして「ちょっ、なんでそれをその向きでよこした･･･」という縦横逆転超絶読みずら資料に遭遇したことがあるでしょう。

99％の人はAcrobat ReaderでPDFファイルを開いていると思います。このアプリでは回転ボタンで表示の向きを変えることはできますが、その状態を保存できません。次に開いたらまた回転ボタンを押さなければまともに読めません。なんというクソ仕様。

解決策として、インターネッツにPDFファイルの向きを変えてくれる無料のAPIサービスがありますが、どこの馬の骨が運営しているかわからないサーバーに社内の資料をアップロードしたくないですよね。

数あるPDF系ユーティリティソフトも、統合や分割はできても回転ができるものが見当たりません。なぜでしょう。じゃあ自分でやろう、ということでPythonならできないわけないと思って調べたらできました。超簡単です。たぶんAPIでも裏でこれを走らせているんじゃないかな。

アプリでさくっとやりたいんだよという方はここまで読み飛ばしてください。

pypdfでPDFファイルを回転保存

pypdfモジュールを使用します。インストールしましょう。

pip install pypdf

ソースコードです。

import os
import sys
from pypdf import PdfWriter, PdfReader

fp = sys.argv[1]
reader = PdfReader(fp)
writer = PdfWriter()

for page in reader.pages:
    page.rotate(90)
    writer.add_page(page)

fn = os.path.basename(fp)
cd = os.path.dirname(fp)
rd = os.path.join(cd, '回転したPDF')

if not os.path.exists(rd):
    os.mkdir(rd)

rfp = os.path.join(rd, fn)
with open(rfp, 'wb') as out:
    writer.write(out)

公式のドキュメントにサンプルがあったので、それを少し書き換えただけです。pypdf._page.PageObjectのrotateメソッドでページを回転できます。引数で時計方向の回転角度をとります。(90)で→方向に90°回転します。270を与えれば←に90°回転となります。レアケースとは思いますが上下が逆ならば、まずそれを作成したやつを小一時間問い詰めたのちに180に指定すればよいです。90で割れない数値はエラーとなります。